ATH-Q64 BERSERGA < 製 作 記 > |
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1) 製作の目標 装甲騎兵の中でも人気の「ベルゼルガ」ですが、キットは、1983年放送当時のTAKARA製1/35があるのみです。 プロポーション等に不満のある製品なので、幾多のモデラーが工夫を凝らして作品作りをされたことでしょう。 そこで、キット発売から四半世紀の時を経て、究極のベルゼルガ作りを目指し、製作にかかりました。(構想約15年、製作期間は約15ヶ月) 完璧なプロポーション、降着機構の再現、スワンピークラッグを含む全関節への軟質樹脂埋め込みとフル可動化を実現しました。 Blog記事へ (約170回掲載) |
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2) 関節 「躍動感」や「力強さ」を表現するには、胸を張ったり、拳を前に突き出したりする「体の動き」が感じられることが重要です。それには、自由度の高い関節が欠かせません。 そこで、鎖骨に相当する部分を設けました。胸部がコクピットになるため、狭い空間に関節を設けます。 ボールジョイントのオス側は、プラ棒の先端をあぶって固まりにし、ドリルの先端に装着してボール状に削り出しました。この棒に肩関節が繋がります。 |
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3) ポージングのためのフル可動 腰の前屈が出来るよう、腹部にも二軸関節を仕込みます。 また、湾曲した胸部ハッチに取り付けられる頭部も、左右合計で30度くらいは回転できるよう、工夫して取り付けます。 頭部の留め具でもある回転リングは、コクピット内のアクセントにもなりました。 |
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4) 降着機構 ギルガメスATの降着機構には2種類あります。ドック系以外では上腿を回転させないため、正しく接地させるのが難しくなります。 伸縮機構でつじつまを合わせるのではなく、軸回転だけでスムーズな降着を実現させました。膝の二重関節もポージングには重要です。従って、慎重に軸の位置決めをしました。 1/35の小スケールですが、軸受けには軟質プラスティックを埋め込み、適度な摩擦を与えています。 |
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5) スワンピークラッグ 湿地戦用の装備であるスワンピークラッグ(カンジキ)は、足の面積よりもかなり大きいはずですが、設定画やアニメのシーンを見ると、スマートな印象を受けます。 そこで、可動機構の再現を兼ねて、スクラッチすることにしました。 足首の動きにも追従するよう、左右の傾きも可能です。細くても強度を確保できるよう金属を使用し、接着には、ハンダ付けや紙、瞬間接着剤等の多様な素材を使用しています。 |
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6) ル・シャッコ これから出撃するという雰囲気が出るよう、ヘルメットを小脇に抱え、動きが感じられるポーズとしました。 ヘルメットはスクラッチです。 塗装では、陰影をつけた基本塗装後に、日焼けした肌や布地らしい質感を表現するため、油絵のように描きこんでいます。 |
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7) アサルトライフル 突撃銃(アサルトライフル)には、スコープドッグのヘビーマシンガンとは、また違う魅力があります。 適度なサイズの銃を、脇に抱えてしっかり握りしめた感じが出るようにしたいものです。 そこで、キットではやや大柄になっている銃を、要所で寸断し、一回り小さく仕上げます。また、目立ちすぎるマガジンは、深く挿入することで、バランスを取りました。 |
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8) ディティールアップ 透明部品は、注目を集める部分としてディティールアップには欠かせない要点です。 シャッコのヘルメットにあるスコープレンズは、透明プラ棒を熱して引き延ばし切断、ベルゼルガのレンズはアクリル板からくり抜いて、凸レンズとして成形しました。 ベルゼルガのレンズは、レンズに入った光が反射するよう、アルミホイルで裏打ちしました。なお、小径レンズの鏡筒は、ボールペンの軸先です。 |
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9) ディスプレイ台 模型に格調高い雰囲気を与えるディスプレイ台は、ぜひ用意したいものです。 素材は、デコパージュ・プラークで、一枚板の方が高級ですが、反りが出にくい集成材を用いています。 木目を生かすためステインを含浸し、鏡面仕上げとなるよう、ニスを7回ほど塗り重ねて、分厚い透明皮膜層を形成します。 高級家具のような感じになり、ここに模型をおくと全体が引き締まります。 |