迎撃! 対ドギルム戦! ( ARV−G DOGUILIM )
< 製 作 記 >

1) 製作の目標

 コクピットから見た迎撃戦というアイディアは、20年くらい前から温めていた企画です。その当時の構想では、接近する脅威はドギルムではなく、バイファムシリーズ唯一の足無しメカ「ルザルガ」だったのですが、宇宙戦専用機体としては同等以上に魅力的で作例が希なドギルムにしました。

 コクピットは、複座式であるトランファムのパイロットシート(後席)です。

 魚眼レンズで見たような、かなり強調された遠近法(パース)を用いますので、計算しながら作らなければなりません。


2) プロポーション

 大河原デザインならではの、不気味・カワイイ、無骨・洗練、弱そう・強そう、ブサイク・カッコイイと言う相反する要素をいかに両立させるかが課題でした。

 設定画よりも脚が長めであり、特にしたから仰ぎ見るとそう感じますが、ポージングや見る角度によっても、印象はかなり変わります。

3) 関節フル可動

 最も魅力的なポージングが得られるよう、また、空間戦闘でのスピード感を演出するため、全身フル可動としました。

 2軸関節:10カ所
 1軸関節:11カ所
 回転関節:9カ所
 ボールジョイント:6カ所


 

4) 専用銃の保持

 「三本指」って、いかにも怪物系の雰囲気があります。

 こうして三本指で銃をしっかり握らせてみると、通常の5本指のロボットハンドには無い、無骨な雰囲気が醸し出されて、大変魅力的です。

 このあたりが、アストロゲーターラウンドバーニアン(ARV)をフルスクラッチで作る醍醐味というものでしょう。

5) 透明部品の製作

 大きな赤い目は、ドギルムの一番魅力的な部分です。内部を赤く塗り、電飾を施して、カバーは透明のままとします。

 制作方法は、いつもと同じバキュームフォーミングで、素材もPET(ポリエチレンテレフタレート)です。

 なお、電球だけではデベソみたいで格好悪いので、周りに透明の覆いをかぶせましたが、BMWのヘッドライト(通称イカリング)みたいに、ちょっと不気味な生物的表情が出せました。

 

6) トランファムパイロット

 パースペクティブモデルとするため、左手や左足先に行くに従い、巨大になるようにしました。

 パイロットスーツは、しつこいくらいにシワを再現してありますが、撮影では一部分しか映らないため、結果的には強調気味で良かったと思います。

7) 撮影

 撮影には8灯用いましたが、30秒の露出中、光源毎に点灯時間を変えています。また、ドギルムへの照明は20秒間動かし続けて均一に照らし、かつ、背景にできるだけ当てないようにしました。

カメラ:SONY DSLR-A300
レンズ:SIGMA 18-200o(最短撮影距離は45p)
クローズアップレンズ:MARUMI DHG 3(最短撮影距離約15p)
F値:22.00(最小絞りで固定)
露出時間:30秒(固定)
露出モード:マニュアル
ISO感度:400
測光方式:分割測光
ホワイトバランス:自動
焦点距離:18mm(35mmフィルム換算で27oの広角)
フォーカス:マニュアル(最短撮影距離で固定)