図1 5.1チャンネル再生の配置図


図2 よく見かける説明図 


図3 より正確な説明図


 5.1チャンネル・サラウンド再生の基本的配置は、図1のようになりますが、部屋の状況などによって、必ずしも理想的なスピーカーの配置ができない場合もあります。図1のように、視聴者を中心とする同心円上にスピーカーを配置するのが基本ですが、それができない場合、近すぎるスピーカーの音の発生を遅らせるなどして、耳への到達時間を揃えることを「タイムアライメント」と呼びます。

 タイムアライメントは、カーオーディオの世界でもよく使われています。つまり、右ハンドル車の運転席を基準に考えれば、右側のスピーカーは近すぎるので、音の発生を遅らせるわけです。

 さらに、タイムアライメントと同時に、近い方のスピーカーは、音量(音圧)も小さくしなければなりません。そうすることによって、時間差、位相差、音圧差は解消されることになります。

 ここで注意点です。一般的には、図2のような説明図をよく見かけます。これは概念図としては分かりやすいのですが、厳密には、図3が正しいでしょう。つまり、タイムアライメントをもってしても、左右の角度までは揃わないと言うことです。

 つまり、角度差からするアコースティック・クロストークについては解決されません。また、距離差からくる、周波数特性の違いも無視できないと思われます。

つづく・・・。