図1 撮影スタジオ状況



図2 完成写真



図3 問題点説明図

 ミニカーの撮影事例を参考に、小物の撮影技術について解説します。
「模型撮影なんてマニアックな!」なんて思う無かれ!例えば、インターネットオークションでは、出品写真の写り次第で人気も大きく左右されると思いますよ!
 小物の撮影術を覚えておいて損はありません。

 準備する物
 ★近接撮影(マクロといいます)のできるカメラ → 最近のデジカメならば、コンパクトサイズでも対応しています。なお、接写何p!とか書いてありますが、広角で近距離まで寄れるよりも、標準〜望遠側の状態で寄れる事の方がありがたいです。(カメラに詳しくない方には「なんのこっちゃ」ですね。質問くださいね。)
 ★光源 → 蛍光灯の方が光の拡散は楽です。設置は、白熱灯スタンドの方がやりやすいでしょう。
 ★光を拡散するもの → 白熱灯なら、トレッシングペーパーのような薄くて白い紙 蛍光灯なら、広い面積のガーゼ(寒冷紗)が良いようです。
 ★三脚 → 手持ちでの撮影は不可能です。
 ★背景 → 初めは「白背景」が無難です。とにかく広い面積を確保しましょう。
 ★レフ板 → リフレクター板(反射板)のこと。白い紙でOK。白熱灯の2灯使いや蛍光灯など、光源の拡散が上手くできれば必須ではありません。
 
図1 は撮影スタジオ(大げさ!?)の状況です。お金はかかってないです。
 @ 白熱球(60〜100W)の前に、トレッシングペーパーをぶら下げて光を拡散しています。燃えないように注意!なお、カメラは白熱灯モードもしくは、ホワイトバランス調整をしてください。でないと、白熱灯はオレンジ色なので夕焼けの写真になります・・・。
 A 背景用のラシャ紙です。(紙質は光沢がなければなんでもOK) 「ノ」の字に緩やかにカーブさせて固定します。
 B 一方向からの光では、陰影が強く出過ぎるので、反射板(リフレクター板:レフ板)を設置します。鏡などの強い反射では問題があるので(後述)柔らかい反射光になるように白い紙などがよいでしょう。
 C ホコリを吹き飛ばすブロアーです。カメラ用品として売ってます。
 D 同じくホコリや汚れを払うために面相筆を使いました。ミニカーがホコリを被っていたので・・・笑)
 E 問題点発生? 折り目無くきれいにカーブを作らないと、ABCDのように白黒白黒といった縞模様ができてしまいます。今回は幸い画面に入ってません。

図2 完成写真です。
 撮影データ → ISO感度設定:100、絞り値:F7、シャッタースピード:1秒。このように絞りをうんと絞らないと、前から後ろまでピントが合いません。ピントは、物体の中央ではなく、やや前の方に合わせます。この写真でいうと、ドアミラーとフェンダーの間くらいかな?なぜなら、前の方がぼけやすく、遠景のほうがぼけにくいからです。なお、一眼レフカメラのような大口径のレンズでは、絞りすぎると悪影響が出ることがあります。F8ないしF11位までが良いようです。
 さて、一見、そこそこ上手く撮れているように見えます。

図3 課題を整理しましょう。
 @ 艶のある物体に光を当てると、「ホットスポット」と呼ばれる白く強い反射が生じます。革のシートらしい表現になるので、ある程度は必要な現象です。身近な事例では、子供のサラサラ髪の天使の輪ですね!フロントガラスにこのホットスポットができてしまうと、車内が見えなくなってしまいます。ライティング(光のあて方と角度)に注意!
 A 光源が近いため、ボンネット前半部分がやや白く飛んでしまってます。もし、派手なロゴが書かれたレーシングカーだとすると、その部分の情報は分からなくなってしまいます。
 B レフ板の大きさが小さいため、よく見ると、それが写っていることが分かります。もっともっと広い範囲で反射光を発生させないとならないですね。その点、白背景ならば、背景からまんべんなく反射光が発生するので撮影も楽です。
 C B同様、台座は、レフ板に近い奥の方が白く光り、手前の方が暗くなっています。ネームプレートも兼ねてますから、均一な反射にしたいところです。
 D 背景の黒い紙のカーブが適切だったため、上に行くほど次第に黒くなっています。この部分は良くできました・・・◎!
 E〜F Dに比べて、Eの部分が白く、Fを境に急に黒く(暗く)なっているのが分かります。これは折り目と言うよりも、レフ板の影響です。白背景ならば全く気にならないレベルですが、黒背景はとにかくシビアです。

改善策!!!
 これはもう、ライトを2灯使うか、傘のような大きさ・形状のレフ板を設置しないと解決できないのではないでしょうか。

 次に、レフ板にアルミホイルを使った失敗例!?を紹介します。
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