そ よ 風 は 何 い ろ
- roadster story -
![]() |
1 ロードスターの卒業生達へ
「セブンのようなピュアスポーツに乗っている人にとっては、ちょっと違うかもしれん。ただし・・・」と、8番目となるロータリースポーツ「RX−8」の開発主査、「片淵昇」氏はRX−8について語る。
片淵氏が描いた夢は、こうだ。
「本当は今までスポーツカー好きだったんだけど、いろいろな理由があってライフスタイルも変わってくるでしょうし。そういったスポーツカーをあきらめざるを得なかった人に、もういっぺんね。我々、ロードスターの卒業生みたいなイメージで考えているんですけど・・・」
そして、今、私は「RX−8」と共にいる。
「車とは何であるか」を教えてくれたユーノスロードスター。その遺伝子=マツダのDNAを受け継ぐもの、そして、世界唯一のロータリーエンジン搭載車でもある「RX−8」と共に暮らしている。
2003年の発表直後、初めて試乗した「RX−8」のハンドリングは、まさにロードスターのそれであった。興奮さめやらぬまま、「ロードスターのあの感触がよみがえってきました」としゃべる私に、「マツダのスポーツカーの基本は、ロードスターになったのかもしれませんね。」と、自ら販売店最初のRX−8オーナーとなった営業マンは、遠くを見ながらポツリとつぶやいた。
「家族とみんなで乗りたい」。その想いからすれば、「RX−8」という選択は私にとって必然だった。そして、ロータリーであること以上に、「マツダが描くスポーツカーであること」にこそ、「RX−8」の本質があるのだと思う。
片淵氏の言葉を知ったのは、8のオーナーとなった後だった。ありていに言えば、「まんまとしてやられた」わけだが、今日も8のステアからは、あの頃のロードスターと同じ夢を感じ取っている。製品こそが開発者の哲学を雄弁に物語るのだろう。
では、その原点ともいえる「ユーノスロードスター」とは、いかなる車であったのか。そしてこれからも、あり続けるのか? 日本車が、我が世の春を謳歌した時代、時に1989年にまで遡るとしよう。
(2004/8/1)
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 back close Home