そ よ 風 は 何 い ろ
- roadster story -




2004/8/21 於:河原子海岸

8 Open Air Motaring

 「日常のなかの非日常性」、オープンカーの魅力を表せば、この一言につきると思う。
 ただし、多少の説明は必要かも知れない。車の魅力には色々あって、わずかの移動でも非日常的な満足感を得られる車がある。例えば、「GTカー(グランドツーリングカー)」・・・。

 「GT」とは、車の信頼性が高くなかったその昔、大陸横断を成しとげられる程の信頼性・耐久性と高性能、快適性、そして旅の満足感を得られるような華麗な高級車を「グランドツーリングカー」と呼んだ事に端を発する。豪華な内装などと相まって、それらは言わば、「演出された非日常性」と呼んでもいいだろう。

 一方、季節のうつろいや、天候のわずかな変化を肌で感じる「オープン・エア・モータリング」は、ありふれた日常のなかに自然の優しさを見いだす行為だと思う。「グランドツーリング」とは正反対のアプローチだが、得られるのは、どちらも素晴らしい非日常性なのかもしれない。

 「夏暑く、年中雨の多い日本で、しかも渋滞ばかりのこの国でオープンカーなんて・・・」と思う人は結構多いらしい。それも一理あるが、屋根を開けられる状況というのは思ったほど少なくない。(むしろ多い。)オープンカーを経験した人ならば、「冬こそ旬だ!」と言っても共感していただけると思う。これは、やせ我慢ではなく、革ジャンでも着込んで温風を全開にすれば、露天風呂に入っている気分だ。
 もちろん、夏の夕暮れの海岸線なんてのも最高。
 あるいは、ひとひらの桜の花びらが舞いおりるダッシュボードなんて、外界と遮断されたクローズドカーでは想像もできまい・・・。

 オープンカーを遠ざけているのは、単なる先入観や人目を気にしている自分自身なのかも知れない。本当の自分を見つけ、心を解き放つために、「そよ風」を感じること・・・
 ロードスターに乗れば、きっと何かに出会えると信じていい。

 どうしても心配な方には、ロードスターの幌は高い耐久性・耐候性を持っており、雨漏りなど無いことを申し添えておこう。

(2004/8/26)

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