そ よ 風 は 何 い ろ
- roadster story -




ヨーモーメントに対して、重量物の配置がいかに重要かが分かる。

19 Straight 6 (Inline 6) VS Rortary - part 1 -
 
 前話ではV6批判のようなことを書いたが、我が家でもV6のFF車を8年ほど乗っており、それはそれで良さもあったので、あまり否定的な意見として受け取らないで頂ければ幸いに思う。(当時はバランサーシャフト搭載の4気筒は珍しかったということもある。)

 ところで、直列4気筒を知る上では、直列6気筒エンジンとロータリーエンジンについても触れねばなるまいが、その前に左の写真を見て頂きたい。ロードスターではコンパクトな直列4気筒エンジンを使用してもなお、フロントミッドシップというほどエンジンは車体中心部に位置しているわけではないのだ。

 2003年の東京モーターショーで、息吹(いぶき)なるコンセプトカーが出品されたが、原点回帰(初代ロードスター)のデザインや電機モーターとのハイブリッド化等が話題になり、その陰に隠れる形で、マツダが目指す「ヨーモーメント低減」についてはあまり注目されなかったようだ。
 形式名「NC」?と目される次期ロードスターは、RX−8で培ったプラットフォームを活用し、息吹で提案したような更なるヨーモーメント低減を図ってくるはずである。 これは、懸念される大型化(=ライトウエイトスポーツからの離反!?)の心配をよそに、開発陣からは「切り札を用意している」という発言があった事からも推測できる。
 サイズや重量、排気量といった部分ばかりに注目せず、まだまだ検討の余地のある「進化すべき点」に着目されたい。

 さて話を戻して、直列6気筒を日本で最初に開発したのは「プリンス自動車」であり、1963年のことだった。第二次大戦において最も優れた戦闘機の一つとされる四式戦「疾風」を生み出した中島飛行機の技術者たちは、後に、富士重工業とプリンス自動車工業を興すこととなるが、当初から外国メーカーとの技術提携に頼らず独自開発を行う力を持っており、それは、トヨタや日産ですらマネのできないことであった。

 特にプリンス自動車は理想主義的であり、道路事情の良くない戦後の日本において、異常とも思えるほど高い目標を掲げた技術開発と実際の製品作りをしていた。そして、経営よりも技術という姿勢が、日産への吸収合併という悲劇につながっていく。

(2004/12/21)

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