そ よ 風 は 何 い ろ
- roadster story -




Fun Khana (ファン・カーナ)
NA8C最後の限定車「SR Limited」パンフレットより

ナビゲーターの声を頼りに、車庫入れする!」

12 Passenger

 スポーツカーのコクピットは、ややタイトな方が緊張感があって良いと言われるが、ロードスターは、幌を閉めると若干の閉塞感があることは否めない。決して窮屈ではないにせよ、車に対して「くつろぎ」を最優先する方にとっては歓迎されにくい車かもしれないが、せめて助手席に(Passenger seat)に座る人に余計な不安を与えないよう、丁寧な運転にはできる限り配慮したいところだ(もちろん、それはどんな車でも当たり前だが・・・)

 そうすることによって、この車の良さを、より多くの方に理解していただけるよう努めるべきだと思う。同乗者に安心感を与える運転こそが、スポーツドライビングの第一歩だと考えれば、素晴らしいことではないだろうか。

 運転者だけの独りよがりになってしまったら、この愛すべき・愛されるべき、希有なライトウェイトスポーツがかわいそうというものだ。

 ところで、車好きの間では、「奥さんには内緒で○○のパーツを取り替えたが、まだ気がついてない」なんて話が出るようだが、私は、この手の話は愉快には感じられない。もちろん、夫婦といえども別の人格だし、そもそも男女では興味の対象が全く違う事も多いので、共感どころか理解すらしてもらえないのは、ある意味、やむを得ないのかもしれない。しかし、だからと言って、影でコソコソするようなまねはみっともないし、虚しくないのだろうか?悪ガキが母ちゃんに隠れていたずらしているようで、大の大人が・・・と思ってしまう。もちろん、男ってのはいつまで経っても子供なんだけど、そう言うのとは違う次元の話。パートナーとしてお互いを尊重できたら理想ではないだろうか・・・。

 さて、この車は、若いカップルだけが似合う車じゃないと思う。私の友人にも、3人の子育てをしながら、助手席には交互に子供達を乗せて楽しいんでいるお父さんがいるし、私自身も、第一子の保育園の送り迎えは、助手席にチャイルドシートをつけてのんびり運転していた。もちろん、どの家庭にも事情があるから、3人以上は乗れないという物理的な制約を乗り越えられない場合もあるわけで、家族に我慢を強いてまで、わがままを通すべきではないのは言うまでもないが・・・。

 左の写真は、助手の指示を頼りにパイロンをよけつつ、車をパーキングスペースに入れる「ファンカーナ」という競技(アトラクション)だそうだが、こんなおおらかな楽しみ方は、やはりあちらさん(北米)の方が一枚上手なようだ。物作りは優秀なのに、人生の楽しみ方とおおらかさにおいては、我々日本人はまだまだ型にはまっているのかなぁと思ってしまう・・・。

 自動車専門誌などを見ても、パーツやドレスアップの記事が多く、少々残念だ。スポーツカーを通じて、もっとおおらかに人生を楽しむ文化があっても良いと思う。懐は大きく、いつも笑顔で・・・ね。
 
(2004/9/17)

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