そ よ 風 は 何 い ろ
- roadster story -
![]() 変わらぬおいしさ MARBLE CHOCOLATE! |
10 限定車
初代ロードスターは「基本性能」にこだわった反面、発売当初は装備が簡素でバリエーションも少なかった。
その後、雰囲気重視の「Vスペシャル」や、足回り等の「走りの性能」を強化した「Sスペシャル」などを追加するとともに、ボディーカラーや特別装備に工夫を凝らした「限定車」を発売していく。
このような手法は、スポーツカーのみならず多くの車種で見られ、いわゆる「新車効果=目新しさ」が落ちてきた時点での「てこ入れ策」ととらえることができる。
少々意地悪な分析をすれば、装備の充実等の名目で上げられた価格ほどには製造原価はかかってないはずだし、営業サイドにとっては「限定車につき、あまり値引きはできかねます」との「切り札」も使えるので、商売としてはまんざら悪くないのでは?と勘ぐってしまうけど、まぁ、そういう野暮なことはこの際言わないでおこう。実際、ユーザーがオプション品やら後付で市販品を購入すれば、かなりの出費を強いられるのだから。 ひとまずは、メーカー・販売店・ユーザー共々、気持ちの良い売買ができる合理的な制度だと前向きに考えたい。
しかし、だからこそ「商品企画力」のセンスが非常に試される場面だとは申し上げておきたい。
私は、そもそも一つの車種に、エンジン等のいくつものグレードを用意するのはあまり好ましいことでは無いと思う。これは何も、下位グレードのオーナーが「引け目を感じるからだ」というようなチンケな話ではなく、車は「トータルバランス」が重要だと思うからだ。目的と目標がしっかりしていれば、絶え間ない改良こそが望ましいのであって、「もっとパワーを!」とか「もっと豪華に!」などの商業主義的拡大志向は刺激にこそなっても、いづれは麻痺する麻薬のようなものだと思うのだ。・・・そこまで言ったら言い過ぎか?
だから、基本メカニズム等は極力シンプルな体系とし、目的に応じたモディファイを加えることによって付加価値を高める、あるいは演出していくというのも、ある意味賢い方法だと思う。突き詰めればどうせ同じ商業主義かもしれないが、まだその方が、気持ち良い「だまされ方」なだけ、マシだと思う。(ヒネクレ者過ぎるか?・・・笑)
さて、前置きが長くなったが、最初の限定アイテムはボディーカラー「サンバーストイエロー」で’91年7月の出来事だった。初代ロードスターは何色でも様になってしまう希有なデザインだと思うが、他に同様な物体はないかとアレコレ考えたところ、マーブルチョコを連想した。そんな具合だから、ブリティッシュグリーン系やシルバー系の「渋い」方向性も悪くないけど、肩肘張らずにライトにポップに楽しんだ方が、この車には似合うと思う。エンスージアスト(偏執狂)を気取るには、マニア度が少々足りないのではないか!?・・・良い意味で(↓)。
(良い意味で : ロードスターにはマゾヒスティック(自虐的)な部分は全くない。旧車を維持するような「壊れやすくて手間がかかる」とか「暑い・寒い・うるさい」とは無縁だ。ラクシャリーサルーンに比べれば快適ではないが・・・笑)
(2004/9/4)
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